言語聴覚士
スタッフインタビュー
言語聴覚士 M.Hさん

入職のきっかけ
これまでは一般の病院勤務をしていましたが、転職先を探していたときに、ハローワークで平和会を見つけました。訪問リハビリの経験はありませんでしたが、新しいことに挑戦してみたい気持ちが湧き、見学に伺いました。その際、理事長や職員の方に対応していただき、事業所内のあたたかい雰囲気や理念に共感しました。訪問リハビリ部門が立ち上がるタイミングで、入職を決めました。
仕事内容
言語聴覚士として、コミュニケーション障害や摂食・嚥下障害のリハビリを担当しています。失語症の方の言語機能へのアプローチをおこなったり、コミュニケーション方法の工夫・提案をおこなったりします。飲み込みの改善の訓練や、口に麻痺がある方へ口の動きを良くする運動指導、ご家族への介護指導などもおこなっています。利用者さんの生活環境を見ながら、一人ひとりに合ったサポートをご自宅に訪問しておこなっています。
仕事のやりがい

訪問リハビリの魅力は、利用者さんやそのご家族と長期にわたり関係を築くことができることです。リハビリの期間が限られていないので、契約が続く限り寄り添い続けることが可能です。ご自宅に訪問する中で、利用者さんとそのご家族が、生活の場で何を求めているのか、現実的なものとして、すごくダイレクトに伝わってきます。ご要望に沿ったリハビリ内容を一緒に考え、協力して進めていき、成果を共に実感できたときは大きなやりがいを感じます。
1日のスケジュール
8時30分までに出勤し、全体朝礼とリハビリ部門の朝礼に参加。9時から訪問リハビリに出発します。午前中に2〜3件訪問し、事務所には12時30分頃に戻ります。1時間のお昼休みをとった後、14時から午後の訪問に出発し、2〜3件訪問します。1日で約5件を回っています。17時前後には事務所に戻り、記録を記入します。リハビリ部門の会議やカンファレンスがある日は、それにも参加します。17時15分からリハビリ部門の終礼に参加し、掃除を終えて17時25分から全体終礼に参加。17時30分に終業です。訓練課題の作成などで残業をするときもありますが、上司が配慮して業務が効率的に進むようサポートしてくれます。
大変だなと思うこと
意思疎通が難しい利用者さんもいらっしゃるので、ご家族からの情報提供やサポートがとても重要です。しかし、ご家族が忙しく、なかなか連絡が取れないときは大変さを感じます。また、ご家族がとても熱心で、利用者さんに「自分たちと同じ食事を食べさせたい」という希望をお持ちの場合もあります。安全面からそれを叶えることが難しい場合には、ご家族の希望と利用者さんの安全を両立させるため、慎重にご説明し、理解いただく努力が必要です。私たちは常にそばにいられないからこそ、利用者さんの安全を第一に考え、歩み寄る姿勢を大切にしています。
入職前後にギャップを感じたことは?
訪問リハビリ部門が立ち上がったばかりだったため、最初は言語聴覚士のリハビリを受けたいという方が少なく、驚きました。当時は、言語聴覚士の認知度が低く、ケアマネジャーにもその役割が十分に理解されていないことが課題だと感じました。理事長や同僚と話し合い、自ら講師となってケアマネジャー向けの勉強会をひらいたり、事業所へ挨拶に行ったりしました。その結果、少しずつ依頼をいただけるようになりました。初めの1、2年は普及活動がメインでしたね。
職場の雰囲気
意見が言いやすく、情報交換もしやすい、とても和やかな職場です。私が入職したころは、同じフロアに全職種の職員がひしめき合って仕事をしていました。まさに壁のない職場で、あの風通しの良い雰囲気がずっと根付いているように感じます。とても働きやすい環境です。
入職を検討されているみなさんへ

訪問リハビリに対して「病院でのリハビリに比べて質が落ちるのでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、私が入職して感じたのは、質が落ちるのではなく、求められる質が違うということです。訪問リハビリでは「生活の場での支援」が重要です。リハビリの内容は、利用者さんの生活に寄り添って一緒に作り上げていくため、柔軟性と共感力が必要とされる仕事です。ただ、病院でのリハビリからの流れがなければ、私たちもこのアプローチを考えることはできません。病院で得られた成果を在宅で生かし、利用者さんが日常生活を楽しく送れるよう手助けをすることが私たちの使命です。訪問リハビリは、さまざまな視点からアプローチを考える面白さがありますので、ぜひトライしていただきたいと思います。