スタッフインタビュー

看護師 H.Tさん

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入職のきっかけ

父と母の介護経験、そして兄のがん終末期を在宅で看取った経験から、「住み慣れた家で、療養したい、最後まで自分らしく過ごしたい」という患者さんとご家族の思いに寄り添う医療者になりたいと思ったのがきっかけでした。結婚を機に鹿児島市に転居し、ワークライフバランスがとれることや夜勤がないこと、さらに自宅から近いことを条件に探していたときに平和会クリニックと出会いました。長年がん看護に携わり、緩和ケア病棟で経験も積んできました。緩和ケア内科もある環境であれば自分の経験を生かせると感じ、入職を決めました。

仕事内容

診療看護師として定期的な訪問診療に同行し、医師のサポートや点滴、採血、経管栄養管理、気管切開など、さまざまな処置をおこなっています。特に緩和ケア医療においては、がん終末期の患者さんの症状緩和を目指したサポートに注力しています。また、昨年発足した緩和ケアチームの一員として、医師や訪問看護師、ケアマネジャーなど、各分野の専門職と連携し、患者さんの身体や心のきつさに対して、総合的なケアをおこなっています。
訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所など、在宅医療に必要な関係機関との情報共有や、緊急入院・レスパイトケアでお世話になっている病院との連携も、医療ソーシャルワーカーと共におこなっています。

仕事のやりがい

患者さんのご自宅に訪問診療に伺い、状態が安定している姿や、ご家族が穏やかに過ごされているのを見ると、ほっと安心します。また、治療や処置で症状が和らぎ、患者さんが少しでも楽そうなご様子だと、心から嬉しく感じます。患者さんやご家族から「また来てね」「気をつけて帰ってね」と笑顔で声をかけてもらう瞬間は、日々の励みとなり、やりがいに結びついています。

1日のスケジュール

8時頃に出勤し、朝礼に参加します。その後、診療スケジュールと申し送り用紙を確認し、必要な物品を準備してから、医師と共に9時20分頃タクシーで訪問診療に出発します。診療を終えてお昼過ぎに事務所に戻った後は、カルテの処理、処方箋の整理、関連機関への申し送りなどをおこない、昼休みをとります。午後は翌日の準備や、往診依頼があれば医師に同行します。定時は17時30分です。夜勤はありませんが、24時間365日の緊急対応制をとっており、月に5回ほど18時から翌朝8時までの電話当番があります。患者さんのご家族や施設から連絡があった場合には、当直医の指示を仰ぎ、対応しています。

大変だなと思うこと

急変時の対応です。限られた時間の中で、採血や処置をおこないながら、患者さんの身体状態を医師と共に迅速にアセスメントします。在宅医療の継続が難しいと判断した場合には、患者さんやご家族と相談し、救急搬送を含めた対応を進めなければなりません。こうした判断には、状況を見極める力に加え、社会的支援の体制も考慮する必要があります。ご家族が支援できるか、サポート体制が整っているかを、訪問看護師やケアマネジャーとも連携しながら総合的に判断するため、責任の重さを感じる場面も多いです。

入職前後にギャップを感じたことは?

私自身の経験から、在宅医療にはゆったりと時間が流れる印象を持っていました。しかし実際には、急変時など緊張感のある場面も多々あります。患者の家族という立場だったときには気づきませんでしたが、訪問看護師をはじめとする多くのサポーターがいてくれたおかげで、安心して在宅療養を続けられていたのだと改めて実感しました。病棟勤務をしていたころは、「在宅でここまではできない」と限界を決めていました。しかし、平和会クリニックで訪問診療に携わる今では、在宅医療で「できないことはない」と思うようになりました。患者さんがご自宅でご家族やペットに見守られながら生活するために、在宅医療が果たせる役割を確信しています。

職場の雰囲気

アットホームで、挨拶はもちろん、みんなが気軽にコミュニケーションを交わす風通しの良い環境です。和やかな雰囲気ですが、仕事に集中しているときは、しっかりとメリハリがあります。日々、それぞれが専門分野の中で使命感を持って一つひとつの業務に向き合っています。職員がイキイキと働いている職場だと感じています。

入職を検討されているみなさんへ

子育て中の職員も多く働いており、ワークライフバランスを重視している方にもおすすめです。病院勤務とは異なり、少人数のチームで診療をおこなうため、他職種や他事業所の職員との連携が欠かせません。その分、風通しが良く、チームワークを発揮しやすい環境です。病棟経験のある看護師さんや、外来経験を持つ看護師さんも、平和会クリニックで十分活躍できると思います。きっと、在宅医療の現場で新たなやりがいや可能性を感じていただけるはずです。患者さんやそのご家族が住み慣れた家で、居心地よく穏やかに過ごせるよう、一緒に力を尽くしませんか?皆さんと働けることを楽しみにしています。